第1章 プレゼンテーションと原価管理
建築主が設計者に依頼をして、いろいろな夢を語りながら、具体的な形にしていくわけであるが、どの時点で具体的なプランを出すかは、その設計者の設計手法で変わると思われるが、多くの建築主は家を建てるのは初めてであるし、ましてや建築関して素人が大半である。そこでまず問題となってくるのが、いったいどのくらいで家を建てるのか、家が建つのか。どのくらいのお金を用意したらいいのか、どのくらいのお金しか用できないのか。やはり建築費の問題が一番になんてくる。(まれに大金持ちで金に糸目を付けないという人もいるが)設計者が建築主の要望を聞いて具体案を提示したとき、いったいこれがいくらでできるのか、最大の関心事である。
通常今までの経験から坪当たりの概算で
坪当たり50万〜55万くらいですとか、おおざっぱな数字を提示して、後は工務店が見積を入れてきてから調整すればいいといった手法でやられてきたと思う。しかし今我々がしようとしているオープンシステムは、建築価格をガラス張りにして、工務店の介在をさせないことでコストダウンを計ろうとしているわけで、工務店が見積を入れてといったことはできない。じゃ、建築主にいったいどのくらいの金額でできるのか、分離発注の業者の見積がそろうまでわからないでは、お客は納得しないであろう。
ここにおもしろい論説がある。建設プロジェクトににおけるVE適用成果のもっとも高い段階は、基本設計完了時がもっとも高い成果を得られているといわれている。何故基本設計完了時が高い成果をられているか理由を整理すると下記のようである。
この論説はVE手法導入に関する論説なのでコストを把握する直接的な手法ではないが、VE導入はコスト節減に密接に関係しているので同じ物だと考えられる。
我々が今取り組んでいるプロジェクトは大半が住宅なので、コスト把握も一定の基準値を当てはめることによってかなりな精度でコストを把握することができる。例えば下記の表はある木造住宅の床面積に対する工種別比較表である。

過去のデーターを整理することで同じような仕様の物であれば面積比率でコストの概算をつかむことができる。
住宅以外の物ではどうであろうか。いろいろと概算の算出方法があると思うが、下記の表は我が社で作成した概算算出システムである。現在RC、鉄骨造の共同住宅住宅が対象である。

もう少し精度のある表もあるが複雑なのでここでは省くことにする。
このように基本設計、いやプレゼンテーションの平面計画ができた時点でコストの把握ができればその後の建築主との交渉も具体的な形で進めることができる。これは我々設計者がオープンシステムを進める上で、重要な要素の一つと思う。