第5章現場は失敗の宝箱
現場で作業を進めるときに間違いが起きる。この間違いの大半はヒュウマンエラー、このヒュウマンエラーをいかに少なくするか又はゼロにするか永遠の課題である。建築というものが現地一品生産である限り、現場での間違いは無くならないと思う。ではどうしたら少なくできるか、現場作業をできるだけ少なくする。規格、既製品を使う。現場作業の単純化、標準化。こういったものを突き詰めていくと設計者にとっては全くおもしろくない単純な形の建築しかできなくなる。しかし建物は人間が使うものである。機械が使うわけではない。まして景観という形で環境にも影響してくる。やはりおもしろいデザインがいい。そうすると間違いが起きやすい建物になる。ああどうしたらよいだろうか。こんな堂々巡りのようなことを考えても仕方がないので、もっと違った観点から考えてみよう。現場での作業は絶対ヒューマンエラーが起きる。その間違いを間違いでなくする方法が無いだろうか?逃げを考える。それも一つの考えである。逃げとはクリアランス、誤差、許容範囲など、例えばRC打ち放しの建物で外部サッシに網戸が付く。サッシの基準図では上端のチリは15ミリとなっているが、もしコンクリートの精度が悪く、10ミリを切ったら網戸が付かなくなる。それではコンクリートをはつってもう一回打ち直す。これも打ち継ぎがうまくゆかない。じゃ最初からコンクリートが5m/mから7m/mくらい下がっても網戸が取り付けらえるようにしておけばいいではないか、20m/m、シーリーングの接着も問題ない。こういった考えが逃げを考えた建築といえる。あらかじめ間違いが起きそうな所を予想しておき、間違いのパターンを分析して、その大半の場合が起きても大丈夫なようにしておく。もちろん施工精度をよくしてこのような逃げを考えなくてもいいようにすることが理想であるが、なかなか思うようにはいかない。ではその間違いをどのように発見するか。建築も病気と一緒で早期発見が痛手を少なくする最前である。
- 施工手順に基づいたチェックシートを作り工程ごとにチェックをする。
- 間違いのパターンの統計を取りその許容範囲を把握する。
- 間違いが起きたときの修正方法をあらかじめ考えておく。
- 間違いが起きたらあわてず騒がず、よく分析して最前の方法を見つけだす。間違いを隠すのは間違い。起きてしまったことは仕方ないので少々時間が掛かっても的確な修正方法を見つけだす。急がば回れの精神である。
- どうして間違いが起きたかよく分析し(きちっと記録を取って)二度と起きないようにする。(2度3度と同じ間違いを繰り返さない)
- それでもどうしようもない間違いが起きてしまった場合それが許容範囲であれば勇気を持ってやり直す。
こういった心構えであれば間違い、失敗も継ぎのステップの貴重資料となるはずである。現場は失敗の宝箱とはそういった意味である。以下にチェックシートの一部を掲載します。
工事監理チエックシート
( 在来軸組 )
準備工事
□/ 地下水位はどこか。
- / 発注が必要なものは、
- / ユニットバスの仕様は決定したか。
- / 工事用水道、電力は手配したか。
- / 仮設トイレは発注したか。
- / 確認の表示板はあるか。
- / 瓦割図の手配はしてあるか。(ケラバ出寸法の指示)
- / プレカット施工図の確認及び承認をしたか。
- / 木材材料検査(大工立ち会いの元行う事)
- / 給水本管の位置は。
- / 下水管のマスのは。
- / 側溝に流入する残土の処置はいいか。
- / 専門工事会社の工程の確認
- / 専門工事会社の建設業の許可書ならびに、労災保険の確認
- / 工事保険の加入はいいか。
- / 近隣の対策はしてあるか。
着工日 /
なわばり
やりかた
- / ベンチマークは設置したか。養生は。
- / 車庫の入り口の勾配は6%以内か。
- / 水平のチェエクは。
- / 直角のチェエクは。
基礎工事
- / 発注が必要なものは。
- / ユニットバスは発注したか。
- / 足場の発注は済んだか。
- / 屋根、壁の仕様は確認、発注したか。
- / 砕石の厚さは120o以上か。
- / ランマー3回以上締め固めたか。
- / 地業検査
D13か。
- / フーチングの幅は450以上(地耐力5T/u以上)か。
L・CONのFcは18N/u以上か。(伝票確認)
L・CONのスランプは18p以下か。(伝票確認)
350o以上か。
- / 天場モルタルのレベル誤差は3o以下か。(高低)
M以下か。
- / アンカーボルトのコーナー部の離れは150oか。
- / 束石の設置時に、大引固定用の番線を取り付けたか。(プラ
- 束)
- / 白蟻駆除は済んだか。(土壌処理)土間コンの前。
- / 足場設置前の外周部の整地はいいか。
- / 犬走りは差し筋アンカー後ワイヤメッシュにて補強してある
か。
木工事・内外装工事
- / 土台は注入材か。
- / 床根太のジョイントは大引・土台の上か。
- / 床断熱材は。
- / プラ束の固定はいいか。
- / ケラバの屋根合板の出は下地より oか。
- / 軒先の屋根合板の出は下地より oか。
- / 屋根ルーフィングの壁立ち上がりは300o以上か。
- / 上記水切りの立ち上がりは150o以上か。(上端には気密
テ ープ)
- / 瓦割りの確認はしたか(施工図及び現場にて)
- / 筋かいの断面方向は良いか。
- / 筋かい接合部の緊結方法の指示、及び事前打ち合わせなどにより確認
をしたか。
- / 柱と横架材の接合は良いか。
- / 束の接合はよいか。
- / 雲筋かいの施工はよいか。
- / 火打ち、梁の接合はよいか。
- / 根太ピッチの確認
- / 軒、ケラバの出寸法は良いか。
- / 構造検査
- / 防蟻処理の表示板はあるか。
- / 金物の取り付けはいいか、屋根工事は完了したか。
- / 土木中間検査
- / 内部塗装、クロス、タイル、陶器見本の用意。
- / 軒天井下地は透湿防水シートを張ってからの施工か。
(36o角)は455oピッチに入れる(ジョイントW)
- / 天井点検口、床下点検口はあるか。
- / サッシ廻は、@サッシ取り付けビスは十字の中心に取り付け
る。
(縦方向→上側横の順番)
- / サッシと屋根立ち上がり水切りが近い場合は気密テープを貼
る。
- / 建具枠とケーシングのチリ oか。
- / 階段室壁及びその他の手摺下地は取り付けたか。H=
- / プラスターボード貼りビスはL=32で間隔は、天井120
o壁150o(周囲200o)となっているか。
- / 上記、水廻りにはSUSビスで耐水ボードよりでていないか。
- / 壁、出隅部にはコーナーテープ張りの上クロス施工。
- / コーキング養生は、2日以上とったか。(目地が割れる)
- / 北東側、屋根と外壁との取り合いはいいか、
- / 玄関ドア沓摺り部分にヌスミはあるか。
- / テレビ、電話、分電盤、コンセントの位置はいいか。
- / 足場解体時において、電気設備、樋、コーキング、ゴミは確
認 したか。
- / 付属金物の取り付け位置や彫り込み状態はいいか。
- / 建具の高さ並びに位置はいいか。
- / 仕上げ材の養生の確認。
- / 建具開閉はいいか。
- / 戸締まりの歪み、隙間、施錠状態の再度確認。
- / 建具の表面仕上げ材の傷、膳板などの汚れ、へこみはないか。
- / 仕口、継ぎ手、留めなどの隙間、目違いはないか。
- / 敷居、各枠材のレベルチエック。0〜2o
- / 床鳴りのチエック。
- / 各枠材チリのチエック。
- / ボードと巾木・廻縁隙間チエック。0〜2o
- / 壁の垂直確認。3o以内
- / ボード張り、ビスの留め付け間隔。150o 200o(壁)
- / 耐水ボードの止め付けはステンレスビスか。
- / 木パテの処理はいいか。(OS仕上)
- / 塗装前の下地処理は十分にしてあるか。(塗装業者によるサ
ンド ペーパー)
- / 塗りむらはないか。(タレ)
- / タイル目地は通っているか。(玄関〜ポーチ)
- / 玄関巾木タイルとドア枠との取り合いはいいか。(タイル小口
を出さない。
- / タイルと枠との取り合いはコーキングか。(枠はやせる)
- / タイルの目地はいいか。(ブリックタイル等)
- / 基礎にシミはないか。(雨もり、水切りの勾配が悪い)
- / 玄関ドア等外部に面したビスはステンレスビスに取替えたか。
- / 設備の蓋の高さはいいか。
- / クロスの離れはないか。
- / 敷地内のゴミはないか。
- / 塗装部分にキズはないか。
- / タッチアップはしたか。
- / 完了後敷地内化粧真砂土を敷いたか。
- / 玄関ドア枠と壁との離れ
- / 水切りの勾配
- / 基礎の汚れ、クラック
- / 外壁コーキングの離れ
- / 外壁塗装むら
- / 外壁・破風のキズ
- / サイデイングの割れ
- / 屋根と外壁との取り合い部分の隙間
- / 桝蓋の高さ
- / 木建塗装によるタレ
- / 木建・枠・ケーシングのペーパー処理
- / 木パテの処理
- / 木部のキズ
- / 木枠(OP)とサッシとの隙間
- / 金物の汚れ(ハンドル等)
- / クロス離れ、破れ
- / アミ戸の破れ、汚れ
- / ケーシング、巾木等壁との隙間
- / サッシ、木建の開閉
- / 掃除は完全か。
- / 防水パンのダブルトラップはないか。
- / 給排水設備試運転はいいか。
- / 電気設備試運転はいいか。
- / 器具の保証書はあるか。
- / 竣工図の依頼はしたか。(電気、給排水設備図)
- / 土木の検査済書か大工の引渡証明書があるか。
竣工日 /